本記事では、Python入門者の方を対象に
- pipとは何か
- pipを使用するための準備
- pipの使用方法(コマンドライン、Anaconda、PyCharm)
を紹介します。
またpipを既に使用している方でも、
「pip」と「pip3」、どう違うの?
よく使用する「pip」コマンド、忘れちゃった・・
と思っている方にも、役立つ内容となっています。
初めに
サードパーティーが配布しているパッケージを使用するためには、
- 外部サイトからDLして、
- インストール、
- 場合によっては、パッケージ同士の依存関係を解決
等々、面倒な作業をする必要があります。
しかし、pipというツールを使えば、
- 外部ライブラリをダウンロードして
- インストールを実行
- 外部ライブラリのバージョン管理
- 削除
等々、面倒な作業を全てやってくれます。
本記事では、PyPIと呼ばれる、サードパーティライブラリを管理しているサイトを紹介した後に、pipを紹介します。
PyPIの紹介
非常に多くの外部パッケージを管理しているwebサイトです。
PyPIとは、Python Package Indexの省略形です。
(ちなにに、「パイピーアイ」と読むそうです。)
こちらがリンク先です。
自分で作成したライブラリを、誰でも登録する事ができます。
ここに登録されると、後ほど紹介した、「pip」でインストールできるようになります。
PyPIサイトで、「pillow」を検索した結果がこちらです。
このHPから、パッケージの説明、過去バージョンの確認や、パッケージファイルのDLが可能です。
また上図サイトの左側に「Project links」があり、
- 開発パッケージ本家のHP
- Githubでのソース確認
- 詳細なドキュメンテーションの参照等へのアクセスがリンク
が記されています。(パッケージによっては、この情報が無いものもあります。)
pipの紹介
pipとは何か
冒頭で色々述べて来ましたが、ここで改めて、pipとは何かを整理しておきます。
pipとは、Pythonのパッケージを管理するためのシステムです。
pipを使えば簡単に、PyPIサイトから外部ライブラリをDL、インストールして、使用できる状態になります。
また
- バージョン管理もでき、新規バージョンや過去バージョンにアップグレード、ダウングレードや、
- インストール済みのパッケージも把握も
できるようになります。
pipのインストール方法
まずは下記コマンドで、「pip」が使える状態になっているか、確認して下さい。
pip --version
(もしくは、 pip3 --version)
# ⬆ 実行結果 (下記は、表示の一例です。)
# pipがインストール済の場合
pip 20.3.3 from /Users/****/***/・・・・
# pipがインストールされていない場合
The `pip' command exists in these Python versions:
(pipとpip3の違いは、後程、解説しています。)
Windowsへのインストール方法
Windowsの場合、Pythonをインストールすると一緒にインストールされます。
使用できない場合、環境変数に登録されていないケースが考えられます。
コマンドプロンプトを開き、下記コマンドでpython.exe.のパスを取得、そのフォルダパスを環境変数に追加して下さい。
where python
# ⬆実行結果
# C:¥users¥***¥・・・¥python.exe が表示される
# 上記から¥python.exeを除いたパスを、環境変数に追加する。
Macへのインストール方法
Macの場合は、HomebrewでPythonをインストールすると、使用できるようになります。
MacはデフォルトでもPythonは使用できますが、「pip」は使用できません。
別途インストールが必要です。
インストール方法は下記のコマンドから可能です。(事前に、Homebrewをインストールしておく必要があります。)
brew install python
Linux(Ubuntu)へのインストール方法
Linux(Ubuntu)の場合、下記コマンドで使えるようになります。
sudo apt install python3-pip
pip、pip3どっち?
1つの環境にpython2系とpython3系が混在している場合に発生します。
Python2系のパッケージを管理するのがpip2、Python3系がpip3になります。
pipコマンドは、pip2もしくはpip3のどちらかに割り当てられています。
(環境により異なりますが、pip2が多いです。)
それを確認するためには、以下の方法があります。
# 下記コマンドの出力結果の違いを見る
pip show pip
pip2 show pip
pip3 show pip
# 出力結果一例
pip show pip
# 出力結果 下記のLocationを注目
# → この場合、python2系です。
Name: pip
Version: 19.3.1
Summary: The PyPA recommended tool for installing Python packages.
Home-page: https://pip.pypa.io/
Author: The pip developers
Author-email: pypa-dev@groups.google.com
License: MIT
Location: /usr/local/lib/python2.7/site-packages
Requires:
Required-by:
操作方法は、pip2、pip3、どちらも同じです。
Python2系は、2021年9月現在、既にサポートが終了しています。
よく使うpipコマンド
パッケージのインストール関係(アップグレード、ダウングレード含)
# パッケージのインストール
pip install パッケージ名
# ファイル情報に基づいて、インストール
(ファイルの作り方は後述)
pip install -r ファイル名
# バージョンを指定してインストール
pip install パッケージ名==バージョン
(例 pip install numpy==1.14.1)
# パッケージのアップグレード
pip install --upgrade パッケージ名
(pip install -U パッケージ名)
# パッケージのダウングレード
pip install パッケージ名==バージョン
(バージョンを指定してインストールと同じ)
パッケージのアンインストール
pip uninstall パッケージ名
パッケージ情報を取得(作者、ライセンス情報、保存場所等・・)
このコマンドは、インストールしたパッケージのみ有効です。
pip show パッケージ名
パッケージがPyPIにあるかどうかを検索
(時々、サイトAPIが落ちてます・・)
pip search パッケージ名
# バージョン情報も返ってきます。
インストールしたパッケージ一覧を取得
# インストール済みのパッケージ情報
pip list
(最新版のみ表示→ pip list --outdated)
# 指定書式で出力(指定しない場合、デフォルト書式)
# 下記コマンドは、パッケージ管理ツール(pip等)は除外される。
pip freeze
# ⬆出力結果(一例)
# numpy==1.19.4
# 外部ファイルに現在のインストール情報を出力
pip freeze > requirements.txt
pipのヘルプ情報(主要コマンド、オプション情報を確認)
pip help
Anacondaでの使用方法
Anacondaでパッケージをインストールする方法は以下の通りです。
- ① ウインドウ左の「Environment」を選択、
- ② その右の、「仮想環境」を選択します。
- ③ installedタグをクリックします。
- ④ 「not installed」を選択して、検索します。
- ⑤ インストールしたいパッケージをクリック、
- ⑥ Applyを選択すればインストールされます。
Pycharmでの使用方法
Prefectures(環境設定)のダイアログを選択します。
Prefectureのダイアログは、下記手順にて、起動できます。
- windowsの場合ファイル → 設定、
- Macの場合、Pycharm → 環境設定
下記はMacの事例ですが、Windowsも同様です。
そうすると、下記のダイアログが出現します。
上図の+ボタン(②の矢印)を押すと、下図が出現します。
上図で、左のリストからパッケージを選んで、「Install Package」を選択すれば、インストールしてくれます。
以上で完了です。
最後に
Pythonにてコーディングしていく上で必須となる、PyPIの紹介とpipの概要・使い方を紹介しました。
本記事が参考になれば、幸いです。
それでは、また会いしましょう!