本記事は、
- PyTorchのインストール方法を知りたい方
- PyTorchをGPUで使用したい方
を対象にした内容になっています。
本記事は、下記5点を、ご紹介しています。
- Macへのインストール方法(GPU無し)
- Windowsへのインストール方法(GPU無し)
- Windowsへのインストール方法(GPU有り)
- Ubuntuへのインストール方法(GPU無し)
- Ubuntuへのインストール方法(GPU有り)
本題に入る前に
ディープラーニングを学習させるためには、GPUはMUSTで必要です。
GoogleColabがありますが、時間制約があり、本格的(長時間)の学習は困難な状態です。
学習時間を気にする事なく、思う存分、ディープラーニングを走らせたい方は、自作PCを組むという選択肢があります。
それほどコストをかけずに、自作PCを、準備する事が可能です。
それに、好みのGPUが選択できるのも、メリットです。
下記記事にて、自作PCを組む際の注意点、オススメのPCパーツをご紹介しています。
興味がありましたら、どうぞ。
PyTorchインストール完了の確認方法
PyTorchのインストール方法を紹介する前に
- インストール後、無事にインストールが完了できているのか
その方法を、ご紹介します。
ターミナル(Mac)、コマンドプロンプト(Windows)、端末(Ubuntu)を開き、下記コマンドを入力します。
pip list
そうすると、pip でインストールしたパッケージとバージョンが、一覧で表示されます。
結果例)
一覧の中に、torch があれば、インストールが無事に完了しています。
PyTorch インストール方法
既に、
- Pythonがインストール済である事
- pipが使用できる状態である事
を前提に、記事にしています。
これら2点のインストールが完了していない場合、先に済ませておいて下さい。
pip インストール 参考記事
Macへの、PyTorchインストール方法(GPU無し)
pipで、簡単にインストール可能です。
pip install torch
Windowsへの、PyTorchインストール方法(GPU無し)
GPUがPCに付属していても、PyTorchで使用しない場合、こちらのインストール方法で大丈夫です。
Macと同様、pipを使用して、インストール可能です。
pip install torch
Windowsへの、PyTorchインストール方法(GPU有り)
「NVIDIA製のGPU」を使っている前提とします。
GPUでPyTorchを動かすためには、以下のドライバ・パッケージ類をインストールする必要があります。
- GPUドライバ
- CUDA
- cuDNN
- PyTorch
以下、順番に説明していきます。
インストールする順番が重要です。上記の順番でお願いします。
GPUドライバのインストール
GPUの型番により、対応するドライバのバージョンが異なります。
(例えば、RTX3060なら、ドライバのバージョン「450.36.06」以上でないと動作しない等、古いドライバは、動きません。 )(2022年4月時点)
以下のサイトより、対応している、最新の「ドライバ」がインストールできます。
「GEFORCE EXPERIENCE」を使って、ドライバを最新にしている方は、本作業は、飛ばして頂いて大丈夫です。
CUDAのインストール
CUDAは、本来グラフィック処理に使用するGPUを、汎用の計算処理をするために、使用します。
(正確には、NVIDIA製GPUに、汎用計算させるための、プラットフォーム、プログラミングモデルです。)
CUDAのインストール手順は、以下の順番です。
- VIsualStudio Build Toolsをまず、インストールする(重要!!)
- その次に、インストールするべき、CUDAのバージョンを確認する。
- 確認したバージョンのCUDAをインストール
以下、順番に見ていきます。
◆ VisualStudio Build Toolsのインストール
なんで必要なの?
CUDA をインストールする際に、使用されるからです。
これがないと、CUDA インストール中に、エラーが出てしまいます。
インストールのための、実行(exe)ファイルは、下記より取得できます。
Visual Studio Build Tools へのリンク
Visual StudioのDownLoadページからでも、実行ファイルを取得できます。
遷移先のページを下にスクロールして
- 「Visual Studio 2022用のツール」を選択
- 「Build Tools for Visual Studio 2022」をダウンロード
から、ダウンロードできます。
途中、下記画面が出現しますが、「C++によるデスクトップ環境」を選択して、進めて下さい。
◆ インストールするべき、CUDAのバージョンを確認
正確には、CUDA Toolkit のバージョン確認になります。
以下のサイトより、インストールするべき、CUDAのバージョンを確認します。
PyTorchの公式サイトに遷移し、下記画面に辿り着きます。
上記ボタンは、選択するとアクティブになります。
Stable(安定)版の場合、CUDA 11.3 に対応している事が分かります。(2022年4月時点)
上記画面で、CUDA 10.2 を選択すると、下記のように、警告が表示されます。
また、インストールした「GPUドライバ」のバージョンが、CUDAのバージョンに対応しているか、下記サイトより確認しておいて下さい。
「GPUドライバ」、最新版が入っていれば、大丈夫です。
CUDA TOOLKIT DOCUMENTATIONのサイトより
◆ CUDAのインストール
バージョンを確認したら、下記サイトより、対応バージョンの「CUDA Toolkit」をダウンロード、インストールします。
CUDA Toolkit Archive へのリンク
上記サイトより、対応バージョンの「CUDA Toolkit」を選択すると、下記サイトに遷移します。
OSの種類、アーキテクチャ、OSバージョン、インストーラタイプ を選択して、インストールファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを実行して、インストールして下さい。
cuDNNのインストール
CUDAのバージョンに対応する、cuDNNをインストールして下さい。
cuDNNの公式サイト 遷移画面より、「Download cuDNN」を選択
またアーカイブ版(過去バージョン)は、下記リンクから遷移できます。
cuDNNは、NVIDIAに会員登録しないと、ダウンロードできません。
上記サイトに飛んだ際、ログインを求められます。(初めての方は、会員登録して下さい。)
上記サイトに遷移すると、下記画面が出現します。
Windows用のZipファイルをダウンロードして下さい。
zipファイルを解凍すると、下記フォルダ・ファイルが出現します。
- bin フォルダ
- include フォルダ
- lib フォルダ
- LICENSE ファイル
解凍したフォルダ3つを(LICENSEファイルを除く)
- CUDAがインストールされたフォルダ の直下
(例:C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.3)
にコピーして下さい。
PyTorchのインストール
PyTorchの公式サイトに遷移し、PyTorchのバージョン、Windows、Pip、CUDAのバージョン等を選択して、「Run this Command」に表示されている、コマンドを入力します。(下図は、2022年4月時点)
インストール後、GPUが使用できるか、確認する
Pythonが使える環境で、下記コマンドを入力します。
import torch
print(torch.cuda.is_available())
# Trueなら、GPU使用加納
どうしてもうまくいかない方へ
anacondaを使用すると、うまくインストールできるケースが多いみたいです。
コマンドプロンプトで、conda環境に入って頂き、PyTorchの公式サイトに遷移します。
PyTorchのバージョン、Windows、Conda、CUDAのバージョン等を選択して、「Run this Command」に表示されている、コマンドを入力します。(下図は、2022年4月時点)
Ubuntuへの、PyTorchインストール方法(GPU無し)
pipで、簡単にインストール可能です。
pip install torch
Ubuntuへの、PyTorchインストール方法(GPU有り)
「NVIDIA製のGPU」を使っている前提とします。
GPUでPyTorchを動かすためには、以下のドライバ・パッケージ類をインストールする必要があります。
- GPUのドライバ
- CUDA
- cuDNN
- PyTorch
以下、順番に説明していきます。
インストールする順番が重要です。上記の順番でお願いします。
GPUドライバのインストール
ドライバのインストール手順は、以下の順番です。
- インストールするべき、ドライバのバージョンを確認する。
- 確認したバージョンのドライバをインストールする。
◆ インストールするべき、ドライバのバージョンを確認する。
GPUの型式により、対応するドライバのバージョンが異なります。
(正確には、RTX3060なら、ドライバのバージョン「450.36.06」以上でないと動作しない等、古いドライバは、動きません。 )
aptコマンドを使って、確認できます。
まずは、パッケージ情報を最新に更新します。
apt update
次に、インストールできるドライバの、一覧情報を取得します。
# NVIDIAドライバの、一覧を取得するためのパッケージ
sudo apt install ubuntu-drivers-common
# インストール可能な、ドライバの一覧を取得
ubuntu-drivers devices
上記4行目を実行すると、下記のような、結果が返ってきます。
「distro」というのは、「ディストリビューション」という意味です。
「non-free」というのは、「オープンソースではないよ」という意味です。
上記リストで、
- 「nvidia-driver-○○○」と書かれている中で
- バージョンが最も新しく、
- recommendedと表記されているもの
をインストールします。
ドライバが見つからない方へ:
ドライバ検索にあたり、リポジトリが登録されていない可能性があります。
下記コマンドを実行の上、ドライバ検索コマンドを実行してみて下さい。
sudo add-apt-repository ppa:graphics-drivers/ppa
sudo apt update
◆ 確認したバージョンのドライバをインストールする。
先ほど、ドライバ検索で見つけたのが、「nvidia-driver-470」だったとします。
ドライバをインストールするコマンド
sudo apt install nvidia-driver-470
# 上記のように、sudo apt install nvidia-driver-○○○ と記載
再起動しましょう
sudo reboot
再起動後、ドライバのバージョンを確認するためには、以下のコマンドを入力します。
cat /proc/driver/nvidia/version
CUDAのインストール
CUDAは、本来グラフィック処理に使用するGPUを、汎用の計算処理をするために、使用します。
(正確には、NVIDIA製GPUに、汎用計算させるための、プラットフォーム、プログラミングモデルです。)
CUDAのインストール手順は、以下の順番です。
- インストールするべき、CUDAのバージョンを確認する。
- 確認したバージョンのCUDAをインストールする。
◆ インストールするべき、CUDAのバージョンを確認する。
正確には、CUDA Toolkit のバージョン確認になります。
以下のサイトより、インストールするべき、CUDAのバージョンを確認します。
PyTorchの公式サイトに遷移し、下記画面に辿り着きます。
上記ボタンは、選択するとアクティブになります。
Stable(安定)版の場合、CUDA 11.3 に対応している事が分かります。(2022年4月時点)
また、インストールした「GPUドライバ」のバージョンが、CUDAのバージョンに対応しているか、下記サイトより確認しておいて下さい。
「GPUドライバ」、最新版が入っていれば、大丈夫です。
CUDA TOOLKIT DOCUMENTATIONのサイトより
◆ 確認したバージョンのCUDAをインストールする。
バージョンを確認したら、下記サイトより、対応バージョンの「CUDA Toolkit」をダウンロード、インストールします。
上記サイトより、対応バージョンの「CUDA Toolkit」を選択すると、下記サイトに遷移します。
OSの種類、アーキテクチャ、OSバージョン、インストーラタイプ を選択して、インストールファイルをダウンロードします。
(例:バージョン 11.3.0の場合)
上記画面に、コマンドが表示されるので、その通りに実行します。
表示されたコマンド中の、「1行目、3行目にwget」で、ファイルをDLしています。
そのため用の「temp」フォルダを作成しておくのが、オススメです。
cuDNNのインストール
CUDAのバージョンに対応する、cuDNNをインストールして下さい。
cuDNNの公式サイト 遷移画面より、「Download cuDNN」を選択
またアーカイブ版(過去バージョン)は、下記リンクから遷移できます。
cuDNNは、NVIDIAに会員登録しないと、ダウンロードできません。
上記サイトに飛んだ際、ログインを求められます。(初めての方は、会員登録して下さい。)
上記サイトに遷移すると、下記画面が出現します。
ダウンロードしてきたファイルを、aptでインストールします。
# sudo apt install <インストールしたファイル名>
# 下記は、参考例です。(バージョン番号が異なっている場合があります。)
sudo apt install cudnn-local-repo-ubuntu2004-8.4.0.27_1.0-1_amd64.deb
PyTorchのインストール
PyTorchの公式サイトに遷移し、PyTorchのバージョン、Linux、Pip、CUDAのバージョン等を選択して、「Run this Command」に表示されている、コマンドを入力します。(下図は、2022年4月時点)
インストール後、GPUが使用できるか、確認する
Pythonが使える環境で、下記コマンドを入力します。
import torch
print(torch.cuda.is_available())
# Trueなら、GPU使用加納
どうしてもうまくいかない方へ
anacondaを使用すると、うまくインストールできるケースが多いみたいです。
condaコマンドを使用します。
PyTorchの公式サイトで、確認できます。
PyTorchのバージョン、Linux、Conda、CUDAのバージョン等を選択して、「Run this Command」に表示されている、コマンドを入力します。(下図は、2022年4月時点)
最後に
本記事では、PyTorchのインストール方法をご紹介しました。
GPU有・無で、インストールのハードルが、全然違うのをなんとかして欲しい所です。
Dockerを使われる方も多いと思うので、近いうちに、記事にしようと思っています。
それでは、またお会いしましょう!