初めてPythonに触れる方に
- 簡単にできる、外部ライブラリの導入方法
を紹介します。
また具体的なコード実行方法も紹介しているため、本記事を読み終えれば、外部ライブラリを使ったプログラムの作り方がイメージできるようになります。
本記事は、プログラムに触れた事が無い人を対象に、画像変換ソフト作成を通して、この世界の魅力に触れてみようという企画シリーズの1記事になります。
企画シリーズ全体は、下記の通りです。
Pythonを勉強しようかどうか、判断材料の1つにして頂ければ幸いです。
「プログラムを体験して楽しむ」企画
進め方ステップ
- 全体概要
- Pythonの導入方法(環境構築)
- Pythonの特徴と、どんな分野で使用されてる?
- 【Python入門者対象】最低限の文法紹介
- 【Python入門者対象】簡単な外部ライブラリ導入方法 ← 本記事
- 【Python入門者対象】画像変換ソフトの作成・実行
- 【Python入門者対象】お勧めの学習手順
外部ライブラリ導入のための準備
PyPIという、Pythonの外部ライブラリを管理しているサイトがあります。
pip(ピップ)と呼ばれているシステムを使えば、このサイトから外部ライブラリをDL(ダウンロード)し、PCにインストール、使用できる状態までしてくれます。
PyCharmを使用すれば、全てGUI上から操作が可能です。
外部ライブラリのインストール方法
PyCharm上での操作方法を
- Windows
- Mac
の順番で、解説していきます。
Windowsでの操作方法
左上のメニューから、File → Settings…を選択します。
ポップアップが出現します。(下絵参照)
次の操作手順(下図参照)
- 左のメニューから、Project:○○ → Python Interpreter を選択 (〇〇は、PyCharm立ち上げ時に作ったプロジェクトの名前が入っています。)
- その後、+ アイコンで、外部ライブラリを追加します。
更に、新しいポップアップが出現します。(下絵参照)
次の操作手順(下図参照)
- 検索窓に 「pillow」と入力し、
- Pillowを選択、
- Install Packageをクリックして下さい。
そうすると、pipにより「pillow」がインストールされて、使える状態になります。
「Package ’Pillow’ installed successfully」が表示されれば、成功です。
Macでの操作方法
左上のメニューから、PyCharm → Preferences…を選択 します。
ポップアップが出現します。(下絵参照)
次の操作手順(下図参照)
- 左のメニューから、Project:○○ → Python Interpreter を選択 (〇〇は、PyCharm立ち上げ時に作ったプロジェクトの名前が入っています。)
- その後、+ アイコンで、外部ライブラリを追加します。
更に新しいポップアップが出現します。
次の操作手順(下図参照)
- 検索窓に 「pillow」と入力し、
- Pillowを選択、
- Install Packageをクリックして下さい。
そうすると、pipにより「pillow」がインストールされて、使える状態になります。
「Package ’Pillow’ installed successfully」が表示されれば、成功です。
外部ライブラリの使用方法
pillowを題材に、使用例をご紹介します。
「pillow」というのは、
- Pythonにて、画像関係を扱う外部ライブラリ
です。
ここではpillowを使って、画像を読込んで、画像を回転させ、保存するというコードを記してみます。
外部ライブラリの読込み
from PIL import Image
呪文みたいに見えと思いますが・・・
from PIL import Image という書き方に関して
- PIL というのが、外部ライブラリ「pillow」の本体です。
- そのPILには、色々な物が入っており、 その中のImageというコードを使う、というイメージで大丈夫です。
※ イメージしやすさ重視という事で、上記表現にしております。本当はちょっとだけ違う事を、ご承知おき下さい。
画像の読込み
先程読み込んだ、「Image」というコード を使って処理します。
ここでは下記画像を使って処理するコードを記してみます。
画像を適当な場所に保存して、そのファイルパスを控えておいて下さい。
パスとは?
ファイルの保存場所を、文字列で示したものです。
- Windowsの場合:「C:/Users/(任意の名前)/Documents/images/test.png」等
- MACの場合:「/Users/Shared/images/test.png」等
になります。
またこの画像は、pngですが、jpgでもOKです。
みなさんも、適当な画像を使って実行してみて下さい。
下記コードのフォルダパスを、保存したフォルダへのパスに変更して下さい。
また画像ファイル名も、保存した画像のファイル名に変更して下さい。
# #をつけるとその行はコメントになります。実行されません。
# 画像が保存しているフォルダへのパス
# Windows の場合
file_folder = 'C:/Users/(任意の名前)/Documents/images/'
# Mac の場合
file_folder = '/Users/Shared/images/'
# 画像ファイル名
file_name = 'test.png'
# 画像を開いて、変数「image」に画像データを代入
image = Image.open(file_folder + file_name)
上記コードの 最終行の()の中のfile_folder + file_nameは、文字列連結処理になります。
文字列の連結とは?
例えば
- 変数「a」に、’aa’ が代入されており、
- 変数「b」に、’bb’ が代入されていると、
print( a + b ) は、’aabb’ と文字が連結されて表示されます。
画像を回転
画像の回転は、pillowに用意されている rotate()を呼出します。
( )に、回転したい角度 を入力します。
# 45°に傾けた画像を 変数 image_rotate に代入
image_rotate = image.rotate(45)
画像を保存
上書きせずに、新しく画像ファイルを作って、保存するようにします。
画像保存は、pillowで用意しているsave() を使用します。( )の中に、保存したい場所へのファイルパスを入れます。
ここでは、PCに保存されていない、新規ファイルパスをsave( )のカッコの中に入れています。
こうする事で、新規で画僧ファイルが作成され、保存されます。
# 新規ファイル名を、変数 new_file_name に設定
new_file_name = 'new_test.png'
# 画像保存
image_rotate.save(file_folder + new_file_name)
全体のコード
最後に、コードの全体の紹介と画像出力例です。
from PIL import Image
# Windows の場合
file_folder = 'C:/Users/(任意の名前)/Documents/images/'
# Mac の場合
file_folder = '/Users/Shared/images/'
file_name = 'test.png'
image = Image.open(file_folder + file_name)
image_rotate = image.rotate(45)
new_file_name = 'new_test.png'
image_rotate.save(file_folder + new_file_name)
エクスプローラー(Macの場合 Finder)の中身
◆ windowsの場合
◆ Macの場合
実行結果
新規作成したファイルを見ると、コードに書いた通り、45°傾いた状態で保存されている事が分かります。
まとめと次回
外部ライブラリ「pillow」を使って、画像を回転させるコードを実行してみました。
使用方法は、
- pipを使って、外部ライブラリを導入する。(GUI操作可能)
- コードの冒頭で、import で外部ライブラリを読み込む
- 画像変換を実施
- 画像ファイル保存
という手順です。
次回は、本シリーズのメインディッシュ、画像サイズ変換ソフトの作り方を一気にご紹介します。
普段のPCライフでも、約立つソフトになるかなと思ってチョイスしました。
雑談
この企画シリーズでは、プログラムの魅力に触れてみようという事で、あえてコードの詳細説明には触れないようにしました。
また、本企画シリーズの記事を読んで、プログラムを初めたいと思った方でも、(そのような方がいたら、筆者としては嬉しい限りですが)全体の雰囲気を知ってから、詳細部分に進んだ方が効率的に学習が進むと思ったからです。
今回取り上げたpipに関して、「もっと詳細を知りたい、更に突っ込んだ使い方を知りたい」という方は、詳細記事を、後日書いて公開するように致します。
少々お待ち頂ければと思います。
それでは、またです。
pipというのは、Pythonに備わっている、外部ライブラリを管理するためのシステムです。